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Honda SENSING は飾りか

自動ブレーキといえばスバルの「アイサイト」の存在。あれだけ多機能で高性能な自動ブレーキと、追従クルーズコントロールなどのパッケージを+10万円という低価格で選べるようにした驚き。そのインパクトはものすごく、これがあるからスバル車を買うという人も続出したほど。間違いなくスバルは新しいユーザーを多数獲得し続けている。これによって、それまで安全装備にお金を払わなかった日本人のクルマ選びに良い影響を与えた功績は、現在も評価されているが、将来的にはもっと大きく評価されると思う。

それと合わせてダイハツの功績も大きい。2012年12月にムーヴに「スマートアシスト」を採用。こちらは時速30キロ以下に限定した簡易的なものではあるが、スバルの半額の+5万円で実現させてしまった。なんせ自動ブレーキが軽に付く日が来ると、誰も思っていなかっただけにこのインパクトはすごかった。一気に全メーカーが採用し、セールスポイントにするきっかけを作ったのは、スバルよりダイハツだと思う。

あれからもう3年が経つが、こうしたシステムも第2世代になって来ている。スバルは「EyeSight ver.3」を発売。ダイハツも単眼カメラを併用する「スマートアシストII」を、スズキは「デュアルカメラブレーキサポート」を相次いで発売。自動ブレーキに遅れをとっていたトヨタも今年ようやく「Toyota Safety Sense」を世に送り出した。その中で、ホンダも時代の流れに乗って、他社と同様なレーザー式の「シティブレーキアクティブシステム」を販売。そして次世代の「Honda SENSING」を採用している。これはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた最新のシステム。追突軽減ブレーキはもちろん、車線逸脱警報・ふらつき警報・誤発進抑制制御・歩行者検知・先行車発進お知らせ・アダプティブクルーズコントロールなどフルスペックの内容。さらに、標識認識機能というものも付いている。

しかし、不可解なことがある。このシステムの搭載車種は、レジェンド・ジェイド・ステップワゴン・オデッセイと拡大しているのに、半年が経過してもまだJNCAPの試験を受験していない。最近発売された「スマアシ2」のタントや、「デュアルカメラブレーキサポート」を搭載したスペーシア、そしてトヨタの新型シエンタも、もう試験結果が出ているのに、ホンダだけはこれを受けないのだ。ちなみに、この試験はメーカーが自主的に持ち込むもの。つまり、やってもやらなくてもいいというもの。自信があるなら当然早く試験して性能をアピールする。しないということは、結果が出ては困るからと考えるのが自然。

レジェンドは、問答無用に試験されるアメリカでは、なんと20km/hですら停止しなかったという。つまり、付いているものは立派だが、実質的には進化していないと言ってもいい可能性がある。もちろん、私もステップワゴンに乗って、標識認識の精度の高さ、アダプティブクルーズコントロールの便利さなど実感。無駄なものと言うつもりはない。たとえ、停止しなくても減速するのであれば、あった方がいいに違いない。

けれど、現状では怪しまれても仕方ない。最近ホンダからはいい話題を聞かない。実際、このシステムもフィットハイブリッド同様に見切り発車したと証言している技術者もいる。だとしたら、ホンダはカタログを飾り、車を売るためにユーザーに未完成のものを売りつけたことになる。これがトランスミッションとは違い、ユーザーが不具合を実感しにくく、効果も試せないものであるから、なおさらそれが本当なら悪質だと思う。ホンダファンの方には申し訳ないが、違うというなら早く試験を受けて真実を明らかにして欲しい。

新型ホンダステップワゴンがよかった



ホンダステップワゴン。軽自動車ファミリーにフィットファミリー以外は日本はおまけで入れてますと言いだけなラインナップの中で、日本市場のために作られている数少ない1台。

ホンダの国内販売を支える屋台骨とも言えるので、力が入った車となったと思う。このジャンルではトヨタのノア&ヴォクシーが兄弟合計だとトップセラーカー。次に日産セレナとステップワゴンが競争を繰り広げている。

近年のライバル動向は、まず日産がセレナに「S-ハイブリッド」を採用。実質マイクロハイブリッドでモーターアシストは限定的。基本的にエネルギー回生システムである。次にトヨタがプリウスのハイブリッドをノア&ヴォクシーに搭載。定評のあるハイブリッド。安心感あって300万円オーバーの価格でも販売は好調である。

では、ホンダはどう来るか。ハイブリッドではなかった。クラス唯一のダウンサイジングターボを搭載。1.5Lという排気量でこの車体を動かすことにした。同じ1.5Lといえば、ホンダにはヴェゼルの直噴+モーターのハイブリッド「i-DCD」がある。このシステム出力は150PS以上、トルクも19.4kg-m。2.0Lガソリン並みだ。しかし、ステップワゴンに搭載しなかったのは、重量的な面があるのだろう。8人乗りのAWDとなると総重量はかなりのもの。そこまで想定して開発してないかもしれない。ノア&ヴォクシーHVに8人乗りがないのも、今度のシエンタハイブリッドに7人乗りがないのも、同じ理由だと説明を受けたことがある。たぶん、そういうことだろう。

もちろん、ハイブリッドにすればその分、価格が上がるし、搭載してもトヨタのものよりも燃費や走りで魅力的なものを提供できない可能性もある。だったら、同じ土俵で勝負するより、誰もやってないことやる方がいい。今までの車と同じ価格でターボならではのメリットを活かす。最近のハイブリッド偏重主義に嫌気が差している人もいるはずだから、ターボは車好きなお父さんに魅力に映るだろう。

さて、今回友人がホンダカーズにいるよしみで、ステップワゴンに乗りに来いと言ってくれた。お言葉に甘えることにした。1時間ばかりいつものコースを乗ってきた。私は1BOXミニバンがキライ。ミニバンに乗るくらいなら車に乗るのをやめる!!と豪語していた私が、恥ずかしながらその言葉を撤回することにした。今の私にこの車は不要。でも、必要になったら買うかもしれない。負け惜しみで言えば、まだ積極的に欲しくはないが、乗っていてイヤではなくなったのは大変な進化。次の世代あたりになると、もはやセダンと大差ないドライブ感になるかもしれない。そうしたら積極的に選ぶことになろう。この10年での1BOXの進化はすごいと思う。

まず、ステップワゴンに乗って乗り心地がすごくいいことに驚く。この乗り心地は上級車種のもの。先週のヴォクシーはプリウスレベルだったが、ステップワゴンはSAIくらいと言ってもいい。これなら上級車から買い替えても不満が少ない。そして、ワインディングにやってきて一番へぇ!!と叫んだのが連続コーナー。これはもうセダンのハンドリング。思ったように走ってくれる。気持ちがいい。1BOXで大丈夫?というスピードで入ってみても全然乱れることもない。現行オデッセイは図体はでかく重たいから仕方ないが、ハンドル切ればのっそり、上モノがあとから付いてくるような不快な挙動を示し、やっぱりミニバンはダメだなと思わせてくれたが、ステップワゴンはそんな重心の高さを感じることがない。セダン感覚で乗れる。これはヴォクシーでも感心したが、改めて驚いた。

注目の1.5Lターボは、思ったより自然な特性でびっくり!!。ターボだと知っているから意識するので、知らなかったらターボだとわからないかもしれない。言い方を変えればターボらしいビュンビュン感はないのだ。でも、よく観察してみると、確かに2.0L-NAにしては3,000回転以下のトルクが太い。203Nmというトルクは2.0L並みだが、実用域のトルクは2.4L-NAと同等なのだろう。だから、坂道などでもどちらかというと、3,000回転以下をキープする方がいい。逆に0km/hからの全開加速では2.0LのNAとそんなに違うか?という感じだった。今時の特性だ。

ホンダセンシングも標識認識機能に感心。きちんと制限速度まで判別することにびっくり。さらに、レーダークルーズコントロールはやっぱり楽。長距離の負担の低減にはとても役に立ちそうだが、どうやら30km/h以下では作動しない模様。私はこういう先進的な技術の載った車を所有したことがないので、これでもいいと思ったが、確かにいろいろな人が指摘しているように、全速度対応でいいのではと思う。

それからこの車のデザインがいいと思う。スパーダではない標準車が特に良くて、白いワンピースに麦わら帽子の清楚な女性をイメージする(変態)。このデザインが安っぽいという人もいるようだが、ジャージに金髪みたいなデザインより数段いい。マイナーチェンジで変にいじくらないで欲しい。いろいろな意味で目からうろこの1台であった。
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