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スズキバレーノの感想

先日のイグニスに続いて、2月に国内で正式発表される予定なのが、スズキの新型コンパクトカー「バレーノ」である。約1年前にどこかのショーに初登場したバレーノは、スズキが考える理想のコンパクトカーと主張されていた。この車はスズキの中ではスイフトよりも上位を担当するので、他社で言えばスバルインプレッサスポーツ、マツダアクセラスポーツあたりのクラスに入るのかな?と思えば、それよりちょっと小さい。

またまたライバルよりちょっと小さい路線である。マツダで言えばデミオ以上、アクセラ未満。なんとも微妙な位置づけである。ただ、サイズは幅が思い切って5ナンバーを飛び出している。せっかく投入するなら、日本でも売れた方がいいに違いないが、メイン市場はインド。シェアNo.1のインドで、上級車を求める声が増えてきたのだろう。スズキはわざわざ高級路線の店舗を設置して、このバレーノを第一弾にしている。

もっとも売れる場所で作るという戦略から、この車はインドで生産して日本に輸入するという。英国やタイなどはあったものの、インド製の車を国内で販売するのは、おそらく初めてのことだろう。搭載されるエンジンは、新開発の1.0L 3気筒ターボエンジンと1.2Lガソリンの2タイプ。排気量は小さいが、直噴ターボ仕様はトルク170Nmと1.8L並み。さらに、なんと重量はソリオよりも軽い900kgを切るらしいから十分1.5〜1.8L車と闘えるだろうし、適度にいい燃費性能を持っていると予想はできるが、今や小型車はただ単に燃費が良ければ売れるというものでもない。

どうしてもスズキの車に乗らないといけない人で、ソリオやスイフトよりも、もう少し大きめでよく走る車が欲しいという人にとっては、この車の登場は意味あるものだろう。しかし、それ以外の人にとっては、現時点では正直そんなに需要がない。価格設定にもよるが、リセールバリューなども考えると、スズキに甘いと言われる私でも、そんなにいい買い物とは思わない。

そう考えるのは、けっこう期待していた内装がイマイチだったこと。もちろん、試作のショーモデルだからかもしれないが、あんまりスイフトと変わらない印象。まだまだスズキは上級な車作りは慣れていない。

国内ではスイフトとソリオがマッチしている。それなりに評価されて販売的にも成功だ。けれど、SX4からスタートして、エスクード、イグニス、バレーノと矢継ぎ早に小型車を投入するスズキ。これには、販売台数を上乗せしたいという思いよりも、3年先・5年先を見据えたものがあるらしい。スズキは国内で小型車を10万台販売することを目標にしている。今のところ、ソリオとスイフトで6万台というところ。ここから上乗せするためには、まずは商品のラインナップがなければダメということのようだ。したがって、そう簡単に売れるとは思っていないけれど、モノが無ければどうしようもない。軽自動車以外にもけっこう品揃えがある。そんなイメージを日本のユーザーに知ってもらうためにも、当面は小型車をお店に増やす戦略。しばらく忍耐なのだろう。

けれど、いくら売れると思えない微妙な車でも、世界規模で見て作った持ち駒をとりあえずお膝元の日本に投入していく姿勢は、もはやなんにも売るものが残っていない三菱よりも評価できるだろう。
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