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日産に責任はないと言えるのか

三菱の燃費不正問題は拡大している。

eKワゴンの燃費目標は5回にわたって引き上げられていた。日産とのNMKV設立は2011年。eK登場は2013年だから、開発はほぼ2年。近年の自動車開発では異常なほど早いとは言えない。

当初目標は26.4km/L。軽ハイト燃費トップはダイハツムーヴの27.0km/Lだったが、当時は10・15モード混在で、この数字は10・15モードのもの。劣る目標を掲げることはないので、これはJC08モードの数字だったと思われる。しかし、ライバルの進歩は想像以上だった。スズキワゴンRが28.8km/L。それに対抗してダイハツムーヴが29.0km/Lと燃費競争は止まらない。eKワゴンがどうしても29.2km/Lでなければならなかったのはライバルの燃費競争にも理由はあるにはある。

しかし、三菱は少なくとも25年前から燃費の数値を正しく測定していなかった。となると、軽の燃費競争の過熱は後付けの理由に過ぎなくなる。もしや本来とは異なる燃費の測定は伝統的に続くもので、当たり前になっていたわけで、ここまで長い期間になると、これが間違った計測方法だということすら認識していない社員がいてもおかしくない。あまりにも根が深い問題だったということだ。

この不正で一番の被害を受けたのは日産自動車なのは間違いない。けれど、日産にまったく責任がないと言い切れるのか。日産デイズは製造事業者こそ三菱自動車工業となっているものの、一般的なOEM供給とは異なる。日産も出資した会社を通じて共同開発した車なのだ。そして、日産自身それをアピールして売ってきた。不正に加担していないとしても、ユーザーにとって日産ブランドを買っていたわけであり、私たちは被害者。三菱が全部悪いという姿勢がどこまで通るのか。燃費が軽自動車にとってそれほどまで大切なものならば、共同で開発し、自社のブランドで販売する車両について日産もチェックする義務がまったくなかったのか。ここは検証の余地はあると思っている。

実は、このような事例がある。今から3年くらい前にスズキ関係者からミニキャブMiEVのOEM供給を受けるという話を聞いたことがあった。その後、三菱が軽商用から撤退。スズキからエブリイ・キャリイのOEM供給を受けるというニュースに接し、なるほどと思った。自動車メーカー同士ではよくある。自社の車を提供する代わりに、自社にない車を供給してもらう。スズキにはEVがない。ミニキャブMiEVを継続生産するならば、それを供給してもらえないかと検討することは十分ある話だし、三菱としても生産台数が少ないだけにメリットはある話のはずだった。

スズキ販社幹部からはEVエブリイの写真を見たという話まで聞いていたが、そのEVエブリイはいつになっても市販されず。忘れた頃、リコール情報で本当にあったんだ!!と知ることになる。スズキで型式まで取得している点、市販するつもりだったことは間違いない。しかし、販売が見送られたのは不可解なことであった。私はどうせ大して売れないのにディーラーの充電インフラ整備など、コストがかさむといった理由で見送られたのかなと思ったし、それが本当のところかもしれない。

でも、もしもスズキが自社で販売する以上、きちんとその車が表示されている性能を持っているのかなど、しっかりチェックしていたとすれば、日産の一方的被害者論も変わってくるかもしれない。OEM車の扱いは各社違うだろうが、ちゃんとチェックしているメーカーがあるのだとすれば、共同開発なのにチェックを怠った日産にも厳しい目が向けられる可能性はある。もちろん、私は日産を非難するつもりはないが、このあたりは自動車メディアにしっかりと明らかにしてもらいたい。
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