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新型ノートe-POWERとソリオハイブリッド

久々の更新。来年4月頃までは多忙な日々が続く見込みで、更新も遅れ遅れとなる。その上、ここを書く時間はかなり厳しい。ご容赦いただきたいと思っている。

 

さて、11月には2つの新しいハイブリッド車が発売された。ひとつは日産ノート「e-POWER」。次がスズキのソリオハイブリッド。ハイブリッドカーは今や普通の存在。トヨタC-HRなどグレードにハイブリッドといった言葉も付かなくなった。しかし、今回2つの新型車はこれまでなかったシステムを搭載しているのがポイント。新しいものって興味ある。早速乗る機会があったので書き残しておく。

 

日産ノートのシステムはメーカーも主張するように電気自動車のひとつの形と言えるかもしれない。ガソリンエンジンも搭載しているからハイブリッド車にはなるが、動力源ではなく発電にしか使わない。走り味はEVなのである。この方式はシリーズ式と呼ばれ、初代プリウスが出たころから方式として存在していたものの、量産車で市販化されるのは日本では初めてと思う。モーターはリーフのものをそのまま移植。発電機があるのでバッテリーを小型化。コストを低減して200万円以下で買える価格設定としている。ノートは当たり前になったハイブリッドの世界に新しい体験を与えてくれる。だから大ヒットしているのだろう。

 

ノートで印象的なのはやはり2.5L並みのトルクを発揮するハイパワーなモーターの走り。市街地でゆったり走るのも十分。高速に行けば思わず笑顔が出る加速感。発電用のエンジンは1.2Lの3気筒。従来からあるものをミラーサイクル化して、効率のいい2,000回転前後しか使わないのだという。当然アクセルの踏み込みとリンクしないが、このエンジンが思ったより大変静かなのに驚いた。BMW i3の時と同じく、遠くで蚊が飛んでいるような音。走行中にはまったく気にならない。その他にも重厚感のある走りだけでなく、足回りを含めて全体的に1クラス上の車になったような印象。どっしりしっとりとした味になっているのも素晴らしい。日産の小型車は安っぽいイメージしかなかったが、この車はまったく異なる。内装もシートを新しくするなど力が入っているが、インパネなどは化粧した程度で、どうしてもライバルより見劣りする。ここが良くなると、本当にフィットに勝ち続けられる車になると思う。ちなみに燃費は25.0km/L前後をキープできそうな雰囲気である。

 

続いて、ソリオのハイブリッド。ソリオにはマイルドハイブリッドというタイプもあり、今までもハイブリッドとCMしていたのでややこしいが、今回のハイブリッドはモーターだけで走ることができる点が大きな違い。対してマイルドハイブリッドはアシストのみ。アシストしている時はエンジンのパワーを落とす。そうでないと燃費が良くならない。しかし、新しいハイブリッドではエコモード選択時は同じようにエンジンパワーを落とすが、キビキビ走りたい時にはノーマルモードにすると、モーターのパワーが上積みされる。カタログではかなりショボいスペックのモーターなのだが、減速機などを使うことによって、想像以上に存在を感じる。トルク感がある。したがって、性能的にも1.2Lから1.4Lくらいになった感じがする。

 

スズキのハイブリッドも個性的。トランスミッションは副変速機構付CVTではなく5AGS。ご存知のように中身はマニュアルトランスミッション。理由はCVTより動力伝達に優れるからということだが、約20kg軽量になるのは大きいと思う。スズキは軽量化に必死。ミッションで稼いだ分でバッテリーやモーターの重量増をカバーしたかったはず。結果的に重量は990kgと驚くべき数字になった。CVTだと1tをオーバーする。ここにはかなりこだわったと思う。

 

ただ、AGSは一部の人には不評。MTに乗り慣れない人には違和感がある。ソリオは多くの人が乗る車。クセのあるものにするわけにいかない。AGSの1番の難関は1速から2速への変速。そこにできる変速の谷間をモーターで補うという発想で、この違和感を克服している。しかし、私の乗った感想では100%消し去ってはいない。だが問題にならないレベルまでスムーズになっていると思った。他にも乗っていると考え方も大きく異なっているように感じたのも興味深い。

 

トヨタやホンダのハイブリッドは一番燃料を使うゼロからの加速時にモーターを使って燃費を稼ぐ。その考え方はもちろんスズキにもあるのだが、そこを最重要と考えていないように思う。意外にエンジンだけで加速している時も多い。モーターのパワーが小さいこともあるだろう。しかし、そこを重視するのならもっと大きなモーターが必要になるし、もっと大きなバッテリーが必要になる。車が重くなれば燃費が悪化する。カバーするためにはさらに大きなものをと悪循環の繰り返しだ。今や小型車のハイブリッドでも1.4tクラスのものも多い。ちょっと重くなりすぎではないか!! もっとシンプルに考え直そう。軽ければ加速時の燃料は少なくて済む。そしてスピードに乗った時にエンジンを停止する時間を長く取れれば、結果的には同じなのではないか。そんな他社とは切り口の違う考え方で開発されていると伝わった。実はソリオのハイブリッドは、巡行時に驚くほど長くEV走行をする。このくらいEV走行ができれば、ハイブリッドを購入したという満足感は得られるだろう。その上、実用燃費がいい。マイルドハイブリッドだって普通に使って20.0km/Lは走る。このハイブリッドは25.0km/Lは走る。さらに、交通量の少ない道を遠くまで走れば、30.0km/Lを超えるのも難しくない。

 

ただし、価格差の20万円を取り返せるほどのメリットはない。ここが一番の弱点。私ならマイルドハイブリッドで十分だと思う。確かにマイルドハイブリッドより10万円くらいプラスするだけなら、今まで買った人が怒ってしまう。今後熟成されてこれがスタンダードになって価格が安くなれば、大いに将来性があると期待している。また、このスズキのナナメからの考え方はけっこう重要ではないかとも思った。燃費を良くするために無駄なことをしていないか。これは車を作る人々はもちろん、我々ユーザーも考え直していく価値はある。

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