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スペーシアのDCBS 装着率は低め?

5月のマイナーチェンジでステレオカメラ方式の自動ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート(以下:DCBS)」を設定したスペーシア。JNCAPテストで50km/hでギリギリ停止。厳密には少し触っているのだが、これなら十分止まったと表現していいレベル。この性能を持っているのは軽自動車ではスペーシアだけだし、普通車を見渡してもスバル車以外では多くない。

この自慢すべきDCBSだが、思ったほど販売に結びついていない様子。おそらく、ユーザーには既存のシステムとの違いをイマイチ認識もらえていない。どちらもCMでは似たような映像。販売現場できちんと説明できているのかも不明。スズキ車は田舎の整備工場で売る場合も多い。また、大きな要因は価格だと思う。軽自動車で75,600円は大きく思える。そもそも安いグレードを選ぶ人は選ばないだろうし、高額モデルのカスタムは本体価格が高い。ナビとかあれこれ付けて見積りしてみたら、結局なしを選ぶ人が多いようだ。確かにカスタムを選ぶユーザーは、先入観もあるかもしれないが、そういうものより他にお金をかけたい人が多いかもしれない。

ただ、ここで注目したいのはダイハツ。ムーヴやタントの「スマートアシストII」は、同じ75,600円だが、装着率はそんなに落ちていないように思う。後方の衝突防止支援など、わかりやすい性能向上もうまいが、やはりダイハツを選ぶ人の方が流行に敏感に見える。その上、どうせ買うならとあれこれ付けてくれる人も多い印象。大画面ナビや後席モニターなどがよく付いているのもそういうところがあるからだと思う。値引きはあまりせず、高額な用品も付けてくれる。販売店としては良いだろう。2000年代以降、ダイハツは上級感や派手さをアピールしてきた。そういうイメージ戦略は成功していると言える。

反面、スズキ車を買う人は価格にうるさい。双方同じ軽主体メーカーでもユーザー層が少し違う。ダイハツよりスズキの方が安いグレード比率が高い。ナビを付ける人もそこまで多くなかったりする。ダイハツより田舎で多く走っているというのもあるだろう。レーダーブレーキサポートは4〜5万円だったから、ワゴンRあたりでは装着率が60%くらいになったものの、7万円だと話が違ってくる。それでスタッドレスタイヤが買えるという話になってくるのだ。せっかくの性能向上も、装着率を下げる結果になっては本末転倒。今後、デュアルカメラブレーキサポートをワゴンRやハスラーに展開するには、まだ超えなければならないハードルがありそうだ。そのためにはソリオで装着率を上げることが肝要になる。

新型アルト NAでターボ並みです!!

アルト1万キロ突破。前のアルトエコよりペース速いです。日々仕事で走り回ることもあるが、走りがレベルアップして楽しさも感じられるようになったから、何も節約のためというより、積極的に乗りたくなるくらい。軽いからNAで十分だし、無駄に大きな15インチタイヤだって履きこなす。スタビライザーの追加など前車とは比較にならないくらい基本性能が向上したから、キビキビと走れてカーブの多い山坂道だって不満がない。シンプルで突出した所はないのだけれど、嫌と思うところもない。カタチはスポーツではないけれど、ライトウェイトって偉大かもしれない。

前のアルトもそうだったが、やっぱり8,000kmを超えたあたりから本当の実力発揮。車にも準備運動は必要。慣らし運転は過度に心がける必要はないが、体があったまるまではそのくらいかかるのだと思う。8,000kmを超えると見違えるようにスムーズになって、超低回転での粘りも増す。よって、燃費も当然良くなる。納車されてすぐに少し遠くまで出かけた時、あまり軽さの恩恵とか、低中速域での力強さを増したというメーカーの発表が感じられなかった。先々変わるだろうとは思ったものの、今なら断言できる。軽くなった分きちんと動力性能に恩恵がある。

納車が冬場だったから、なにより暖気時間が驚くほど短くなったところが良かったが、夏場なんてほとんどないに等しい。つまり、ちょい乗りでもあまり燃費が悪化しないということ。低中速の力強さはリッターカーに匹敵する。それもそのはず。650kgに660ccのエンジン。970kgで1.0Lエンジンのヴィッツとトルクウェイトレシオはあまり変わらない。アルトの「X」は中途半端な存在と言われる。確かにアルトにしては無駄に豪華な装備だし、価格も113万円。あとちょっと出せばワゴンRが買えるとか、ターボRSが買えるという声もある。でも、私はこの車はパッソ・ヴィッツやマーチを検討している人にこそおすすめしたい。1.0Lクラスの小型車と比較したら、これで十分じゃない!!と思う人もいるはずなのだ。

私はターボRSのデビューを知っていてオーダーした。それは、きっとターボなんか買ったら、普通車がいらなくなってしまうだろうという怖さがあったから。実際、ターボでなくてもアルトに乗る比率が増えてしまっているのだから、まったく困ったことなのだ。そして、そもそもなぜアルトを購入したのかという原点を忘れてはいけない。年間35万円かかっていたガソリン代が10万円以下で済むというその差額以上の負担になってしまったなら、そもそも軽を持つ理由がない。そう言い聞かせてという面も否定はできないが、人間どうせならと贅沢に。でも、中途半端なものを買うくらいならどっちかがいい。「X」でなければ、私は「F」のAGSにする。

そんなアルト「X」。私は大満足なのだ。実は先日、ムーヴカスタムのターボとeKカスタムのターボに乗る機会があった。どちらも友人の愛車。乗り比べてみた。アルト負けてない。これくらい踏んだら、このくらいの加速をするだろうという感覚がそんなに違わないのだ。アルトのNAは実用域ではハイトワゴンのターボ車並み言ってもいいと思う。友人も「よく走ってびっくり」と言っていた。もちろん、64PSという差はあるから速度域が高くなってくるとターボ有利になるのだろう。ただ、実用的な範囲内、具体的には70キロから100キロといった加速なら「さすがターボは違うね!」というほどの差は感じない。そのくせ燃費は最高にいい。もちろん「ターボRS」も価格は安いし、燃費もターボの割りにいいと思う。大いに迷って当然。日常の足として使って、ちょっと走る楽しさがありたいという人には、私は「X」を薦めたい。こいつはいい車だ。

案外普通だった新型ソリオ



新型スズキソリオの情報が解禁。こちらの画像は私が許可を得てスキャンしたもの。転載ではありません。スズキのお店も堂々と載せているので、そのままティザーリーフレット掲載します!!

今度のソリオどうだろう。私は「うーん普通!!」が第一印象。似た声は多く聞こえる。みなさんアルトのイメージ強すぎか。よく考えれば、スズキの実用車(ワゴンR・スペーシア等)って普通な形が多い。おそらくソリオはスズキ自身も想定より売れたと思っているはず。幅が狭かったのでパレットSWの小型車バージョンに見えてしまう面があり、それが災いするか、逆に評価されるかというところだったが、結果は後者。最後まで月間2,500〜3,000台という安定した販売。よく売れたと思う。

そこで新型も5ナンバーいっぱい幅を取った小型車と軽の中間的な存在という立ち位置を踏襲。全長・全幅ともに現行と同じらしい。その代わりルーフを2cm低く、ホイールベースを伸ばして、現行よりバランスいいスタイリングになった。居住性も損なっていないだろう。しかし、どっかで見たようなデザインに見える。ミニバン・軽自動車ではこういう2通りのラインナップをするのは一般的であるが。

新型ソリオは次世代軽量プラットフォーム第2弾を初採用。アルトで驚きの軽量化を実現したスズキ。今回現行ワゴンR以降のスズキグリーンテクノロジーと軽量化を1から展開した初めての小型車となる結果、現行より100〜120kg軽量になり、販売メインのマイルドハイブリッド車で950kg。4WDでも990kgとすべて1t未満。この重量はパレットSWターボ車より20kg軽い!! エンジンは新開発K12C型を搭載。細かくは不明ながら、新型アルト以降のR06A型同様、さらなる高効率化・軽量化が実施されていると思う。これに軽でおなじみ「S-エネチャージ」が組み合わされる。モーターアシストはスペーシアと同じ最大30秒間。今回は軽自動車ではないので、スズキもようやくこのシステムを「ハイブリッド」と大々的に謳う。燃費はFFで27.8km/L。ストロングハイブリッドのアクアやフィットと比較すると見劣りするも、価格的にはガソリン車に近い。そちらと比較すればパッソの27.6km/Lを超え最高となった。

さらに、スズキは新型ソリオにモーターだけでも走行できるストロングハイブリッド仕様を追加するという。概要はわからないが、発売は1年以内。マイルドじゃないと言うからにはホンダのIMA的なものではないと考えられ、薄型モーターをCVTに挟むようなシステムになるのではないかと予想する。私の価格予想は税込185万円〜。マイルドハイブリッド「MX」(最多量販グレードになると思う)が税込169万円。+15万円程度のところで出してくるのではないかということ。スズキは謙虚な会社でハイブリッドといえどトヨタと同じ価格で売れるとは絶対考えていないから、シエンタハイブリッドとあまり差が感じられない価格設定(200万円オーバー)はありえないと思う。もし、185万円くらいなら高性能な自動ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」と「全方位モニター付ナビゲーション」を付けても200万円ちょっとで買える。これならインパクトある。なぜなら、シエンタに今時欲しい装備をオプションしてナビや自動ブレーキを付けていくと300万円になってしまう。ポルテだって250万円くらいになる上、自動ブレーキの設定なし。

ソリオはこのストロングハイブリッドモデルの追加でようやく本格的な勝負ということになると思う。個人的にはこれが出るまで待ちだと思っている。でも、マイルドハイブリッド仕様も割安感はあり、実用燃費も20km/Lは出るだろうから、町乗り中心の人には、ストロングハイブリッドまでは必要ない。

新型ラパン 最速レポート



新しいラパンがデビューした。今回のラパンは以前お伝えしたように、企画・デザイン・開発が女性主体で行われた。キーワードは「男性厳禁」。開発にあたっては男は口を挟まないのが決まりだったという。

新型は丸目のライトのみ。外観は見ての通り今までよりも男性は乗りにくい雰囲気になった・・・。ただ、アルトが男っぽいデザインになったので、ラパンは思い切れた。セールスポイントは室内で「自分の部屋」がコンセプト。インパネはテーブルをイメージ。「S」以上のグレードは明るい木目でおしゃれなカフェにいるような気分に。こういう木目の使い方は今までなかった。素直に感心。なお「L」以下のグレードは木目ではなく濃い茶色のテーブルになる。

用意されるグレードは4タイプ。エントリーモデルの「G」は998,000円(税別)。先代の「G」4AT車と同じ価格。それでいてESP・レーダーブレーキサポート・シートリフター・チルトステアリング・IRカット機能付フロントガラスが追加されているから、実質値下げされている。ただ、トランスミッションが5AGSとなる。「L」は+115,000円(税別)。副変速機構付CVT・アイドリングストップ・エネチャージなどに加えて、電動格納式ミラー、プレミアムUVカット&IRカットフロントドアガラス、運転席シートヒーターなどが付いている。上位グレードの「S」は+77,000円(税別)。ディスチャージヘッドライト・オートライト・リヤワイパー・本革巻ステアリングなど追加。価格差分の装備はある。エクステリアもAピラーとBピラーがブラックアウト化されていて、2トーンカラー仕様も選べる。最上級「X」は+97,000円(税別)でナノイー搭載フルオートエアコン、アルミホイール、ターンランプ付ドアミラー、6スピーカーなど付く。これはちょっと高いかなという印象。ただし、ボディカラーによって3色のシートカラーが選べるようになっているから女心を掴むかもしれない。新型は飛びぬけてお得なモデルはないが、どれもそこそこ。予算に応じて選べばいい。売れ筋は「S」か「L」になるだろう。5AGSが許容できるなら「G」が内容の割りに安いと思う。

室内の質感はアルトと比較すれば数段いい。似たような装備同士で比較するとアルトより20万円くらい高くなる。内外装の質感や静粛性にお金をかけていて当然だ。アルト「X」に乗っている私も気になっていた車だが、同等以上の装備を求めると「X」を選択せざるをえず、そうなるとアルトターボRSより高い。この3台で悩む人は想定していないだろうが、いいなと思った点がある。それがドライビングポジションなのであった。

新型アルトは性別問わないデザインで男も乗れる点はいいのだが、ドライビングポジションに関してはあまり男性を重視していない。小柄な年配女性。ステアリングを抱きかかえるような乗り方をする人を考慮している。そのため、ペダルに合わせるとステアリングが遠く、ステアリングに合わせるとペダルが近すぎる。シートリフターがあっても高い方向ばかりで、大して低くならない。私の体型では好ましいところが見つからない。先代はそんなことなかったのに、ここが私の一番の不満点である。テレスコピックが必須。でも、新型ラパンは身長が160以上の今どきの女性も乗ることを考えている。シートもけっこう下がる。男性が乗ってもドライビングポジションがいいところに設定できるし、よりセダン感覚で乗れるのだ。内外装は別としてこの点はすごくうらやましいところである。ぜひ角目で内装はダークグレー。バーカウンターのような赤木目調テーブルというような男向けラパンが欲しい!!

早速試乗させてもらったが、これはほとんどアルトそのもの。まさにアルトのラパン。もっとキャラクターを変えているかと思ったが、意外なほど同じ。違うとすれば静かさくらいだ。先代よりも120kgも軽量になっているから、走りはHE22Sと比べたら大幅進化。燃費も大幅進化。買い替える人は大満足するだろう。しかし、アルトユーザーが悔しがる点はあまりない。乗り心地はアルトの廉価モデルよりは1段いいが、スタビライザー付で15インチタイヤ用のショックを採用している「X」の足回りと比較すると質感には違いないと思う。もしかしたら同じショック? と思うほど。ただ、14インチタイヤなので少しだけマイルドに感じられる。性能は重量からして同じ。ただ、アルトの上位グレードと違って、全車スタビライザーが付いていない。これくらい付けてくれと思うが、乗っている間は気になることなく、しっかりとした走り味であった。ただ、山坂道では15インチまで履いているアルトの方がしっかりとした走りを見せるだろう。

新型ラパンは内外装など女性視点の魅力、女性ウケ。そんなところがクローズアップされそうだが、近年のスズキの軽と共通して走る・曲がる・止まるというところ、走りの軽快さ、しっかり感、実用燃費の良さなど、車としての基本がしっかりとしているから安心して女性に薦められる。とてもいいことだと思う。ミラココアと迷っている人がいたら、ぜひ一度乗ってみて欲しいと思う。

新型スペーシア 感じるハイブリッド感




「S-エネチャージ」を搭載したスズキスペーシアのマイナーチェンジ車とハスラーに試乗した。「S-エネチャージ」は、昨年夏にワゴンRに搭載したものと基本は同じ。減速するエネルギーで発電した電気を走行中に使う「エネチャージ」はスズキの軽にはほとんど採用されている。アイドリングストップの時間を長くできたり、発電機を回すためのエンジンパワーや燃料を節約できるのがメリットだ。

「エネチャージ」は、どうせならたくさん発電したいので、普通車用の大きな発電機を採用。でも、エンジンルームの鉛バッテリーは急速充電に向かないのでリチウムイオン電池も助手席の下に配置したのである。「S-エネチャージ」は逆に貯めた電気で今度はエンジンをアシストしようというものだ。モーターに豆電球をつないで回すと点る。発電機はモーターとしても活用できる。

発電機兼用のモーターはエンジンとつながっている。走行中にエンジンを助けると同時に、アイドリングストップからの再始動も担当するからキャンキャン音がしない。この点だけでも価値がある。昨年ワゴンRに採用された際は、どちらかというとそこを売りにしていた。アシストは一定の条件下で最大6秒と限定的だったためだろう。これが今回は発進からOKになるとともに、最大30秒間までアシスト時間が延びた。もはやなんちゃってハイブリッドと呼べない。ただ、昨年のトラウマか。他メーカーと仲良くやってゆくため、スズキはハイブリッドと謳わない。注目の燃費は従来の29.0km/L(ハスラーは29.2km/L)から32.0km/Lに向上。どちらも免税となっている。特にスペーシアはスーパーハイトのスライドドアタイプでは唯一の全車免税となっていて、これはアピールポイントとなる。

今回スペーシアとハスラーは、「S-エネチャージ」の採用以外にも、ベースとなるエンジンも変わっている。型式こそR06Aと変わらないが、昨年12月に登場した新型アルトで初採用された改良版に変わった。この2世代目のR06Aは、シリンダーブロック以外はほとんど新設計というもので、さらなる軽量化とともに、暖気時間短縮による燃費改善と、不評だったヒーター性能の向上など実現している。

早速スペーシアに乗って感じるのが静粛性の向上。これまでスペーシアはロードノイズが気になったが、だいぶ低減。乗り心地は大幅と言えないが良くなっていた。「S-エネチャージ」はワゴンRのものより明らかに存在感が増している。発進はもちろん、アクセルを踏み足したらほぼアシストが入る。30秒間加速し続けることはないから、このくらいできれば十分という印象。アシストがわかりやすいのは2,000回転あたり。このくらいの低回転域での加速は普通のガソリン車と違う。モーターの助けが効いている。

引き続いてハスラーに乗ったが、これが下ろしたてでなかなかアイドリングストップしない。アイドリングストップできるようにならないと、モーターのアシストもしない仕組みのようだ。信号で停止するたびに「できません(充電中のため)」という表示。相当走り回ってようやく準備ができたようだが、かえってこれで効果を実感できることになった。充電中で発電機が回っている状態から、発電機の停止+モーターアシストが入ると、一転してさっきまでのはなんだったんだと思えるくらい走りが「軽ーい」と実感!! ハスラーは「S-エネチャージ」が搭載された以外には特に変わったところは感じなかった。

今回「S-エネチャージ」で変わったと思ったのがモーターアシスト時の音。これまでが短すぎて聞こえなかった可能性もあるが、モーターが加わるとキーンという音が聞こえる。これにより、メーターのインジケーターを見なくてもアシストしていることがわかるようになっていいと思う。静かなことに越したことはないが、これはこれであえてそうしているのだと思う。瞬間燃費を見ても、ゆっくり加速するなら20.0km/Lを切らない。これは市街地での走行には効果的なシステムだと思う。

8月にはスペーシアのターボも「S-エネチャージ」となる。基本となるエンジンにターボ。さらにモーターという原動機が追加されるとなると、軽自動車規格から逸脱するのでは?という声もわからないではない。そういう意味ではハイブリッドという言葉を使わないのは得策だと思う。また、スバルのアイサイトに迫る国内トップレベルの追突軽減システムの「デュアルカメラブレーキサポート」の採用など、近頃のスズキは突き抜けている。進化することは良いことだが、ちょっと急激すぎる気も。ユーザー目線としては、もう少し自分の車が最新である時間が長い方がうれしい。

スズキアルトターボRSを試す



本日あいにくの雨模様。ターボRSが出たら考えたいと冗談で言っていた私に、担当の営業サンが持ってきてくれた。今日はお店が休みの日ということでありがたく貸してもらうことにした。

私のアルトも3,000kmを走行し、先日1ヶ月点検を実施したところである。しかし、本当の意味での比較ができないのが残念。というのも、真冬の納車。13インチスタッドレスタイヤで乗っている私は、まだ15インチタイヤを付けたアルトに乗ったことがないのであった。

外観は見てのとおりの違い。あと細かいところではホイールが切削風の加工となっている。走りの面ではタイヤがエコピアではなくポテンザ、ショックアブソーバーがカヤバ製のRS専用品となっているらしい。エンジンルームにはストラットタワーバーが備わる。フロントブレーキはベンチレーテッドディスク式となる点などが異なる。

内装のデザインは全体的に同じでカラーがブラックでまとめられているくらい。ただ、シート表皮がスエード風というか滑りにくい素材でクッションも多少厚くなっていて、座り心地はノーマルアルトより良くなっていた。カタチは同じだと思う。

期待に胸を膨らませ、走り出すと印象は新型アルトに初めて乗った時とまったく同じ。想像していたものよりもマイルドという意味だ。新型アルトのデビュー時も650kgという軽量ボディから先代以上の軽快な走りを想像したら、意外と変わらず。軽量になった分は燃費に振ったと理解していたが、新型に慣れた頃に旧型に乗ったら、やはり新型の方が力強く速いことがわかったので、シャーシ性能の大幅な向上やボデー剛性の向上など、車そのものがとてもしっかりしたことで速さ感が遅くなってしまっていると思う。

つまり、かつてのアルトワークスのようなロケットのような加速感を期待すると、少し物足りない。これがワークスの再来?と思ってしまう。ただ、おそらくノーマル同士で競争したら新型の方が速いだろう。でも、そう感じさせないのは、格段に車がしっかりしてしまったためと考える。この車体ならもっとパワーあってもいいよなと思ってしまうから、人間は贅沢なものだ。

5AGSはエブリイのようにゆったり動き出すものではなく、スポーティなモデルに搭載できるようにチューニングされていた。エブリイはアクセルを床まで踏んでも機敏さなく、あくまで車のペースで走り出す。積載重量が大きくなった時のためだろうと思う。その点、アルトターボRSは停止からアクセルを思い切り踏み込んでも、ワンテンポ遅れたりすることなく、飛び出してくれる。変速もだいぶすばやくなっていて、スポーツ走行に支障がない程度には改善されていた。これなら満足できる人もいるだろうが、個人的にはMT派の人はもちろん、2ペダル派の人はイージーにスムーズに走ることができることが大事であり、AGSよりもCVTの方がいいのではないかと思った。もちろん2ペダル派の人でもMTのような走りができるという点は魅力だが、今後MT追加はあってもCVTが追加されることはないだろうから、個人的には購入には熟慮してしまう。

専用のショックアブソーバーを採用した足回りは、私のXグレードと比較してハードになった印象はなく、むしろ乗り心地が良くなっているとすら感じた。それよりもいいなと思ったのは静粛性である。ほとんど大満足の新型アルトだが、エンジン音がうるさいことだけが私の不満であった。それがターボRSは十分静かになっていて、なんかひとクラス上の車という感じ。何が違うのかと思ったら、エンジンルーム内部、室内側にサイレンサーが追加されていた。これだけでこんなに違うのかと思うが、アルトのエンジンルームは広々としていて作業しやすく、多少切り込みなどを入れる必要はあるかもしれないが、自然吸気にも流用できる。ドアサッシュテープを注文したが、これも追加で注文しようと思う。あとはボンネット裏に静音計画のサイレンサーでも貼れば、グッと上質感が出るはず。

ターボの力強さはとても魅力的。あっという間に80キロに達する性能は、その辺のコンパクトカーよりも刺激的。価格も税抜なら119.8万円と、最終モデルのアルトワークスの117万円から2.8万円しか上がっていない。それでいて、ディスチャージ、プッシュスタート、ESPやレーダーブレーキサポートなど、最新の装備が付いているのだから大バーゲンなのは間違いない。マーチやヴィッツのようなコンパクトカーを検討している人には、こうした車も強くおすすめできる。

しかし、これは私の負け惜しみでなく本当の気持ちだが、Xでもけっこう楽しい車だと思う。興奮度マックスになったら思わず買い替えもするつもりだったが、まだいいやと思えたのが偽らざる気持ち。ターボRSが同時発売してても、Xを購入したと思う。高速道路は確かに余裕ないものの、毎日の通勤や仕事で乗る時間を楽しくして、燃費など経済性を考えたら、自然吸気でフロント&リヤスタビライザー、15インチタイヤなどを履いて、走る・曲がる・止まるという性能が、軽の中では楽しい部類の標準車の出来の良さも同時に実感できた。

ただ、車検が来たらわからない車検まで乗ると言っておいて2年で乗り変えた私である。すくに変えたくて仕方ないという思いは持たなかったものの、3年くらい経ったらターボRSの購入をまじめに考え始めるかもしれない。その頃まで販売しているといいが・・・。確かに上を望めばキリないし、この車をいろいろと評価する人はいるだろうが、国産車の価格がどんどん値上がりしている中で、本当に限られた予算の中で、今の時代にこういう車をここまでの内容で作ってくれたスズキには、素直に感謝したいところ。あとはオーナーが自分好みにしたいならお金をかけるべきだ。

スズキ 新型車6車種投入

2月18日のエブリイ発売の影に隠れて話題にもならないのが、新型SX4 S-CROSS。スプラッシュ同様にハンガリーからの国産ブランド輸入品である。年間販売目標が600台という月販と見間違う数字で、まったく売る気がないのか、売れると思っていないのか。確かに周回遅れ感ある。5年前にデビューしていてもおかしくはない感じ。軽量化やALL GLIPというAWD機構など、それなりにはがんばったものの、パワートレインにはハイブリッドやディーゼルといった目新しいものはないし、レーダーブレーキサポートも付いていない。この車は確かに乗ると悪くないし、スイフトスポーツ譲りの1.6Lエンジンは、回すとけっこうスポーティな音質でパドルシフトを操って乗ると気分はいい。地味なスタイルも新型アウトバックが小さくなったみたいで悪くない。ただ、欲しいかと言われると決め手に欠ける。やはりスズキというメーカー単独でやっていくには、厳しいか?という課題を感じた1台なのでございます。

しかし、今後スズキは国内に6車種の新型登録車を投入するという。第一弾がこのSX4で、次がセレリオと思われる。これは、1.0L 3気筒デュアルジェットエンジンを搭載するコンパクトカー。インドなどでは発売されている。スイフトよりも廉価な価格帯を担当するようで、おそらくアルトとさほど変わらない価格(100〜110万円)で発売されると思う。もちろん燃費も30.0km/Lクラスにはなるだろう。

次が先日生産開始されたビターラ。日本名エスクードだ。新型エスクードは原点に戻って、また1.6LクラスのコンパクトなSUVになるらしい。スズキは今後は2.0L以下の小型車に集約していくとはすでに発表の通りだ。ヨーロッパでは価格の安い4WDとして人気があるらしいが、日本では安いだけでは厳しい。この車も地味なスタイルで今一歩魅力に欠ける気がするも、海外仕様のデータを見ていると、レーダーブレーキサポートやレーダークルーズコントロールを設定した仕様があるようだし、日本の規制にも適合できるユーロ6をクリアするフィアット製1.6Lディーゼルもある(トルクは320Nm!!)。価格もSX4より少し安めのようだから、スズキとしてはSX4より下のクラスの車と位置づけている模様。レーダーブレーキサポートIIや、ディーゼルの4WDで現行エスクード並みの価格ならなかなか魅力的と思います。

その後は、ジュネーブショーに登場した2車種。ひとつはゴルフやアクセラクラスのスイフトより少し上級のコンパクトカー「iK-2」。そして、もう一台がハスラーの小型車版と言われているモデルだ。これはなかなか両方ともデザインとしては良さそう。特にハスラーの小型車版という「iM-4」は、レトロでモダンで日本でも売れそうだ。中身もまた話題性がある。「iK-2」は1.0L 3気筒デュアルジェットエンジンをベースに、ターボチャージャーを追加。その名も「ブースタージェット」というらしい。流行のダウンサイジングターボといえばそれまでだが、普通に考えて1.8Lクラスのトルクを発揮しながら、燃費もいいという車になるのだろうと思う。このエンジンはもちろん次期スイフトにも採用される。そして、「iM-4」に採用されるのは、「S-エネチャージ」の進化版のようだ。個人的には「iM-4」にもブースタージェットが欲しいところ。そして6車種目は新型スイフト。この6車種が2017年あたりまでに出揃うようだ。

小さなメーカーであるスズキがこのようにラインナップを増やすのには、軽自動車依存の体質から脱却したいという思いがある。確かにスイフトやソリオは悪くないが、これしかないとスズキの軽に乗っているユーザーにすらおすすめしにくい。とりあえず当面取り扱える車種を増やすことで小型車ユーザーの来店を促進したり、ステップアップを促したいのだろう。コンパクトカー市場はハイブリッドばかりに力を入れていたトヨタはいい車ない。フィットやデミオはガソリン車が話題にならないが、本当にいい車。これらは手ごわいライバルになるだろうが、スイフトの出来を考えると、スズキの小型車も期待していい。このクラスに刺激を与えられるかもしれない。
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