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新型ラパン 最速レポート



新しいラパンがデビューした。今回のラパンは以前お伝えしたように、企画・デザイン・開発が女性主体で行われた。キーワードは「男性厳禁」。開発にあたっては男は口を挟まないのが決まりだったという。

新型は丸目のライトのみ。外観は見ての通り今までよりも男性は乗りにくい雰囲気になった・・・。ただ、アルトが男っぽいデザインになったので、ラパンは思い切れた。セールスポイントは室内で「自分の部屋」がコンセプト。インパネはテーブルをイメージ。「S」以上のグレードは明るい木目でおしゃれなカフェにいるような気分に。こういう木目の使い方は今までなかった。素直に感心。なお「L」以下のグレードは木目ではなく濃い茶色のテーブルになる。

用意されるグレードは4タイプ。エントリーモデルの「G」は998,000円(税別)。先代の「G」4AT車と同じ価格。それでいてESP・レーダーブレーキサポート・シートリフター・チルトステアリング・IRカット機能付フロントガラスが追加されているから、実質値下げされている。ただ、トランスミッションが5AGSとなる。「L」は+115,000円(税別)。副変速機構付CVT・アイドリングストップ・エネチャージなどに加えて、電動格納式ミラー、プレミアムUVカット&IRカットフロントドアガラス、運転席シートヒーターなどが付いている。上位グレードの「S」は+77,000円(税別)。ディスチャージヘッドライト・オートライト・リヤワイパー・本革巻ステアリングなど追加。価格差分の装備はある。エクステリアもAピラーとBピラーがブラックアウト化されていて、2トーンカラー仕様も選べる。最上級「X」は+97,000円(税別)でナノイー搭載フルオートエアコン、アルミホイール、ターンランプ付ドアミラー、6スピーカーなど付く。これはちょっと高いかなという印象。ただし、ボディカラーによって3色のシートカラーが選べるようになっているから女心を掴むかもしれない。新型は飛びぬけてお得なモデルはないが、どれもそこそこ。予算に応じて選べばいい。売れ筋は「S」か「L」になるだろう。5AGSが許容できるなら「G」が内容の割りに安いと思う。

室内の質感はアルトと比較すれば数段いい。似たような装備同士で比較するとアルトより20万円くらい高くなる。内外装の質感や静粛性にお金をかけていて当然だ。アルト「X」に乗っている私も気になっていた車だが、同等以上の装備を求めると「X」を選択せざるをえず、そうなるとアルトターボRSより高い。この3台で悩む人は想定していないだろうが、いいなと思った点がある。それがドライビングポジションなのであった。

新型アルトは性別問わないデザインで男も乗れる点はいいのだが、ドライビングポジションに関してはあまり男性を重視していない。小柄な年配女性。ステアリングを抱きかかえるような乗り方をする人を考慮している。そのため、ペダルに合わせるとステアリングが遠く、ステアリングに合わせるとペダルが近すぎる。シートリフターがあっても高い方向ばかりで、大して低くならない。私の体型では好ましいところが見つからない。先代はそんなことなかったのに、ここが私の一番の不満点である。テレスコピックが必須。でも、新型ラパンは身長が160以上の今どきの女性も乗ることを考えている。シートもけっこう下がる。男性が乗ってもドライビングポジションがいいところに設定できるし、よりセダン感覚で乗れるのだ。内外装は別としてこの点はすごくうらやましいところである。ぜひ角目で内装はダークグレー。バーカウンターのような赤木目調テーブルというような男向けラパンが欲しい!!

早速試乗させてもらったが、これはほとんどアルトそのもの。まさにアルトのラパン。もっとキャラクターを変えているかと思ったが、意外なほど同じ。違うとすれば静かさくらいだ。先代よりも120kgも軽量になっているから、走りはHE22Sと比べたら大幅進化。燃費も大幅進化。買い替える人は大満足するだろう。しかし、アルトユーザーが悔しがる点はあまりない。乗り心地はアルトの廉価モデルよりは1段いいが、スタビライザー付で15インチタイヤ用のショックを採用している「X」の足回りと比較すると質感には違いないと思う。もしかしたら同じショック? と思うほど。ただ、14インチタイヤなので少しだけマイルドに感じられる。性能は重量からして同じ。ただ、アルトの上位グレードと違って、全車スタビライザーが付いていない。これくらい付けてくれと思うが、乗っている間は気になることなく、しっかりとした走り味であった。ただ、山坂道では15インチまで履いているアルトの方がしっかりとした走りを見せるだろう。

新型ラパンは内外装など女性視点の魅力、女性ウケ。そんなところがクローズアップされそうだが、近年のスズキの軽と共通して走る・曲がる・止まるというところ、走りの軽快さ、しっかり感、実用燃費の良さなど、車としての基本がしっかりとしているから安心して女性に薦められる。とてもいいことだと思う。ミラココアと迷っている人がいたら、ぜひ一度乗ってみて欲しいと思う。

ウェイク買うなら6月以降!! 新車は損

昨年11月発売されたダイハツウェイク。タントより広大な室内スペースを武器に、タントアゲイン!!と意気込んだダイハツだった。タントだって発売した当初はこんなに広くなくてもいいでしょう!! 売れないのでは? と言われていたらしいが、あっという間にダイハツの屋台骨に。その成功体験から広ければ広いほど売れるはずという企画だったと思うが、なんでもやりすぎというのは良くないかもしれない。

発売から4月の販売台数は4万台強。月販目標5,000台だから達成している。売れてない部類ではない。でも、ダイハツはもっとドーンと反応があるんじゃないか。あったらいいなと期待していたはずだ。でも、やりすぎて重くなってしまいバランスがタントよりも悪かったり、個性的なデザインも影響してか1万台オーバーの月は今のところない。スタッフマニュアルでは1BOXからのダウンサイザーなど普通車ユーザーを取り込めと強調していたが、普通車に乗っている人は無理に軽にしようとは思っていないことがわかる。

私はウェイクが悪い車だと思わないし、その広さも必要な人にとっては魅力的だと思うが、これから購入しようと考えている人がいるなら、1ヶ月待った方がいいとアドバイスさせてもらいたい。中古車を検索してもらうとわかるが、ある検索サイトではウェイクの中古車・登録済未使用中古車が2,000台くらいある。発売から半年でこの台数はちょっと多すぎないかと思う。同時期に発売された新型ムーヴはカスタム合わせて200台くらい。10倍の差がある。これには理由がある。ダイハツはウェイクを発売するにあたって、まったくの新規車種ということあり、とにかく知ってもらうため、多くの販売店(業販店)に置いてもらうため、通常よりもかなり破格の条件で普段ダイハツ車をあまり売っていない販売店まで積極的に営業をかけて、初期受注を伸ばした。

通常なら新型車の未使用車がすぐに出回るのは良くないと思われるが、あの頃はスズキとの年間登録台数を競っていた頃。かなりむちゃくちゃなことをやっていたようだ。もちろん、販売店にとっても格安で仕入れることができるから、悪くない話。ハスラーの時にはあっという間になくなったという良い思い出もあってか、複数台注文を入れたところも多々あったはずだ。そのため、出たばかりのウェイクが街の中古車屋さんなどに何台も並んでいたという光景が見られたわけだ。だが、正直目論見どおりに行かなかった。このときに大量導入した車が売れ残っているのだ。登録しただけの車が大量にある状態。そろそろ売ってしまいたいということで赤字にならない程度の乱売もスタート。オークション相場も下がっている。

では、どうしてもう少し待てと言いたいかというと、6月には11月〜12月に大量に導入されたリースのデモカー(業販店の試乗車)が、これまた大量に返却されてくるからだ。人気車ならそのまま買い取られて店頭並ぶところ、売れる見込み少ないためほとんど返ってくる可能性高し。それでなくても未使用車がダブ付いているのに、デモカーが大量に戻ってくる。ダイハツの中古車部はアタマを抱えているはず。持っていても仕方ないからオークションに大量出品するか? そうなると相場は下がってしまい赤字になってしまう。でも、店頭に何十台も置くわけにいかない。よって、6月以降はたくさんの試乗車上がりの車や登録済の車をなんとかさばいてしまいたいという気持ちでいっぱいになることだろう。

そんなこともあってか、4月の登録はムーヴやタントと比較しても大きな落ち込み。3,000台を切ってしまった。おそらく新車よりそうした車を積極的に薦めている可能性がある。ウェイクを買いたい人は、そうした車を狙うと非常にお買い得な買い物ができるだろう。160万円以上の車だが、130〜140万円くらい。しかも、純正ナビ付などがゴロゴロある。大量のウェイクに悩んでいる頃、6月中旬以降あたりから購入に動き出すことをおすすめする。少々無理な条件も受け入れてくれる可能性高い。

新型ムーヴカスタムのクオリティにびっくり!!



「軽の域を超える」なんてもう使うもんじゃない。何をもって軽の域としていたのかもわからないが、言えることは軽自動車の評価はもう「軽」というカテゴリーの中にあるなんて関係ない。そんなことを考えさせてくれたのが、新型ムーヴカスタムだった。

新しいムーヴの走りは、排気量が660ccであること以外、その乗り心地や走り味はなんら小型車と劣るところがない。それどころか、これ以上のクオリティを持っている小型車がどれだけあるのだろうかと考えさせる。マツダデミオやスズキスイフトあたりくらいじゃないか。つまり、ダイハツは軽の領域を超えて、小型車と対等に戦える商品よりも、さらにその1段上のプレミアムだとか、高級という領域まで目指していることをはっきり実感する。

タウンカーとして上質な軽はたくさんある。ワゴンRをはじめ、ホンダN-WGN、三菱eKワゴン。どれも十分快適で満足。でも、この中で一番デビューが早いスズキのワゴンRは、このムーヴの前においては、もう古い。たった3年しか経っていないのに、軽の評価基準や進化が桁外れに進んでいくことに驚きを隠せない。

このムーヴに乗ると、ターボを選べばこれ1台で十分だと思う。今までだって性能的には問題なかったものの、やっぱり軽は軽。乗り心地や静粛性、長距離走れば疲れてしまうだろう。そんなことからやっぱり普通車も持ってないといけないという人もいたと思う。でも、このムーヴカスタムならそんなことも思わなくなるだろう。かなり高い満足感を得られる。

ダイハツは実質的に軽自動車専業メーカーになっている。それがいい意味でプラスとなっているのではないか。つまり、ホンダやスズキより上位の車を意識せず、軽をどんどん普通車以上のクオリティに引き上げることができる。タントの影に隠れて、少し地味な存在になっていたムーヴだが、やっぱりダイハツ車はムーヴから変わる。これからのダイハツ車の展望。これはとても期待ができる。

新型ムーヴは室内の質感の高さや、スマートアシストIIの採用など、商品力としても魅力的だし、内装などミディアムクラスの車に匹敵するものがあるが、私が衝撃を受けたのはやっぱり走りのクオリティ。ボディの剛性が高くなったとか、いろいろな理由はあるだろうが、それでも販売価格が150万円の車でここまでできるというのは何よりの証。トヨタは何をしている!!と叱咤したい気持ちでいっぱいだ。これより好ましい足回りを持ったFF車って、カムリとかSAIクラスまで行かないとダメ。豊田社長はマツダと提携するのもいいが、ダイハツの技術者にも教えを請うといいと思う。

とはいえ、唯一残念なのがエンジンだろう。KF型もそろそろ10年選手であり、度重なる改良をしているものの、開発年次の新しいスズキやホンダのエンジンと比較すると、燃費はそこそこいいものの、低速トルクが細い。3,000回転以上回さないとあまり走らない。スズキやホンダのエンジンは3,000回転以下のトルクがしっかりあって使いやすい。それを補うためか、ステアリングに「D-アシスト」と呼ばれるパワーボタンがある。このスイッチはCVTのSモードと同じという声もあったが、そうでもない。その中間という感じ。アクセルの反応を良くして回転を少し高めに保つ。このスイッチを入れればまぁまぁ不満がなくなるし、巡航状態に入ったときにすぐにOFFにできるので手間がかからない。ホンダもECONボタンをステアリングに付けるといいと思った。

結論から言えば、この車に新開発のエンジンが搭載されたら、きっと他社よりも二歩くらい抜き出るなということ。そして軽にしておくのがもったいない思い。例えば、このくらいのレベルならば1.0Lエンジンとか800ccのターボなんかが載った登録車バージョンが出ても十分魅力があるし、ライバルと戦えると思う。この車の登場はライバルにとっても、刺激的なものだろう。今後がますます楽しみになってしまうと同時に、「小型車しっかりしろ」という思いになった。

三菱の国内撤退も笑い事にならない現状

私の住む町の三菱ディーラーが近く撤退する。県下で5店舗になり、正規ディーラーでは一番少なくなる。東西に長い島根ではユーザーの利便性からして厳しい。高齢者が多いのにディーラーまで2時間かけて行きたい人はいない。ちなみに島根はマツダが5店舗、スバルは6店舗。似たようなメーカーもあるじゃないかとも言える。しかし、これらは多少事情が異なるように思う。なぜなら、マツダやスバルは昔から規模が小さい。多くの店舗を設置できない前提で販売網を整備してきた。スズキ・ダイハツほどサブディーラー頼みではないが、それでも大きめの整備工場をオートザム店にしたり、外観からはスバル店にしか見えない協力店なるサブディーラーを開拓している。合わせれば実質10店舗くらいになる計算。手薄な地域ができる限りないようになっている。反面、三菱はかつて規模がそこそこあった。自前で十分やっていた。いい時はおまえらに頼る必要ねーとやってきて、困ったら助けて!!とそんな世の中都合よくはならない。

三菱の島根直近登録状況を見ると、はっきりデータでわかる軽が4月に19台。1店あたり3台強。4月は少ない時期と前置きしても、スズキ・ダイハツは300台以上で1店舗あたり20台以上出している。出すという言い方にしたのは卸した車も含むため。スズキ・ダイハツは50〜70%がサブディーラー(業販)による販売だ。三菱も業販がゼロということはない。そう考えると軽自動車王国の島根で、直販では1店舗1ヶ月3台未満の可能性が高い。店舗に営業が一人しかいないことはないから、営業マン単位だと1台売れてるのかどうか? 軽でこの成績は深刻だ。2009年時点で三菱ディーラーは750店舗だったそうだ。そうすると、現在の一般的な三菱ディーラーは月に1台のアウトランダーとデリカD:5を登録し、軽自動車を3〜5台届出するイメージ。あとミラージュかデリカD:2が1台あるかどうか。1店あたり3〜4人の営業を置き、整備工場にも3人は雇用して事務スタッフも1名配置。相当厳しいことは容易に想像できる。彼らの責任は少ないとすら思うが、一般的なディーラーの1/3かそれ以下の成績では閉鎖続きもやむをえまい。

ただ、閉鎖をすると貴重なお客さんとの距離が広がる。そこをカバーしようとすれば地元密着の整備工場的なモータース屋で販売するしかない。しかし、それも厳しい現状がある。これには近年の三菱販社統合による弊害がある。山陰の三菱ディーラーは西日本三菱という会社。調べると中国・四国だけでなく、大阪と九州の一部までカバーしている。ここまで広い地域を1つの販社でやっている例は聞いたことがない。結果各都道府県単位で作ってきた良さや信頼関係が壊れたという。新会社のやり方で統一されるようになり、融通が利かなくなり、無理を聞いてくれていたり、大目に見ていてくれていたことが、掌を返したように不可になり、これでずいぶん三菱車を売ってくれていたお店が離れていった例は私が聞くだけでも何店かある。そういうところは現在スズキ車の販売に力を入れている。これは他県でも同様で、極端な例は三菱ディーラーのように見える店構えなのに店内にはスズキ車が展示してあるらしい!! 普通なら気が引けるだろうが、まぁそのくらいやったるわ!!と思ってしまうくらい、納得いかない対応だったり、背に腹は変えられぬ事情もあるのだろう。

こうなると三菱は閉鎖した地域のお客を他銘柄に取られておしまいという悪循環を永遠に続ける。撤退した地域で積極的に売ってもらうには悲しいかなやっぱりお客にとって安いこと、お店にとって儲かることしかない。モータース屋の社長がディーラーでなく自分の店で車を買ってくれる大切なお客にスズキやダイハツを差し置いて、まず三菱を薦めることは考えにくい。私は三菱の車はもう大丈夫だと思っているが、やっぱり世間のイメージは厳しいのだ。けれど、圧倒的に安くできるならカタログを並べて商談してくれるかもしれない。今の三菱は取材する限りでは売れる商品を揃えて強気なスズキ・ダイハツと条件に大差ない。1台あたりの利益をきちんと確保するという方針は理解する。でも、それはマツダのように苦難乗り越え、お客が振り向いて初めて向かえるところ。とにかく赤字覚悟で乗ってもらうこと、売ってもらうことを第一に考えないといけないのではないか。おせっかいながら。でも、マツダはそうしていた。

しかし、三菱自動車がそこまでして国内販売を立て直そうと思っているのかは疑問が残る。今まで三菱の車をたくさん売っていた店が三菱離れするに至っている現状はそう簡単に戻らない。世界規模で見れば三菱車は評価もあれば需要もある。途上国も有望。私も三菱の車が良くないとは思わない。自動車産業はグローバルなもの。だから、三菱自動車は無くならないだろう。でも、このままだと日本から撤退を「そんなバカことあるか!!」と笑って済ませられないところまで来ていると感じる。少なくとも完全撤退は遠い将来としても、もう国内ではアルファロメオやシトロエンのように遠くまで買いに来てくれるファンだけに絞り、三菱店がない都道府県が登場することは、ありえるんじゃないかと思っている。

新型スペーシア 感じるハイブリッド感




「S-エネチャージ」を搭載したスズキスペーシアのマイナーチェンジ車とハスラーに試乗した。「S-エネチャージ」は、昨年夏にワゴンRに搭載したものと基本は同じ。減速するエネルギーで発電した電気を走行中に使う「エネチャージ」はスズキの軽にはほとんど採用されている。アイドリングストップの時間を長くできたり、発電機を回すためのエンジンパワーや燃料を節約できるのがメリットだ。

「エネチャージ」は、どうせならたくさん発電したいので、普通車用の大きな発電機を採用。でも、エンジンルームの鉛バッテリーは急速充電に向かないのでリチウムイオン電池も助手席の下に配置したのである。「S-エネチャージ」は逆に貯めた電気で今度はエンジンをアシストしようというものだ。モーターに豆電球をつないで回すと点る。発電機はモーターとしても活用できる。

発電機兼用のモーターはエンジンとつながっている。走行中にエンジンを助けると同時に、アイドリングストップからの再始動も担当するからキャンキャン音がしない。この点だけでも価値がある。昨年ワゴンRに採用された際は、どちらかというとそこを売りにしていた。アシストは一定の条件下で最大6秒と限定的だったためだろう。これが今回は発進からOKになるとともに、最大30秒間までアシスト時間が延びた。もはやなんちゃってハイブリッドと呼べない。ただ、昨年のトラウマか。他メーカーと仲良くやってゆくため、スズキはハイブリッドと謳わない。注目の燃費は従来の29.0km/L(ハスラーは29.2km/L)から32.0km/Lに向上。どちらも免税となっている。特にスペーシアはスーパーハイトのスライドドアタイプでは唯一の全車免税となっていて、これはアピールポイントとなる。

今回スペーシアとハスラーは、「S-エネチャージ」の採用以外にも、ベースとなるエンジンも変わっている。型式こそR06Aと変わらないが、昨年12月に登場した新型アルトで初採用された改良版に変わった。この2世代目のR06Aは、シリンダーブロック以外はほとんど新設計というもので、さらなる軽量化とともに、暖気時間短縮による燃費改善と、不評だったヒーター性能の向上など実現している。

早速スペーシアに乗って感じるのが静粛性の向上。これまでスペーシアはロードノイズが気になったが、だいぶ低減。乗り心地は大幅と言えないが良くなっていた。「S-エネチャージ」はワゴンRのものより明らかに存在感が増している。発進はもちろん、アクセルを踏み足したらほぼアシストが入る。30秒間加速し続けることはないから、このくらいできれば十分という印象。アシストがわかりやすいのは2,000回転あたり。このくらいの低回転域での加速は普通のガソリン車と違う。モーターの助けが効いている。

引き続いてハスラーに乗ったが、これが下ろしたてでなかなかアイドリングストップしない。アイドリングストップできるようにならないと、モーターのアシストもしない仕組みのようだ。信号で停止するたびに「できません(充電中のため)」という表示。相当走り回ってようやく準備ができたようだが、かえってこれで効果を実感できることになった。充電中で発電機が回っている状態から、発電機の停止+モーターアシストが入ると、一転してさっきまでのはなんだったんだと思えるくらい走りが「軽ーい」と実感!! ハスラーは「S-エネチャージ」が搭載された以外には特に変わったところは感じなかった。

今回「S-エネチャージ」で変わったと思ったのがモーターアシスト時の音。これまでが短すぎて聞こえなかった可能性もあるが、モーターが加わるとキーンという音が聞こえる。これにより、メーターのインジケーターを見なくてもアシストしていることがわかるようになっていいと思う。静かなことに越したことはないが、これはこれであえてそうしているのだと思う。瞬間燃費を見ても、ゆっくり加速するなら20.0km/Lを切らない。これは市街地での走行には効果的なシステムだと思う。

8月にはスペーシアのターボも「S-エネチャージ」となる。基本となるエンジンにターボ。さらにモーターという原動機が追加されるとなると、軽自動車規格から逸脱するのでは?という声もわからないではない。そういう意味ではハイブリッドという言葉を使わないのは得策だと思う。また、スバルのアイサイトに迫る国内トップレベルの追突軽減システムの「デュアルカメラブレーキサポート」の採用など、近頃のスズキは突き抜けている。進化することは良いことだが、ちょっと急激すぎる気も。ユーザー目線としては、もう少し自分の車が最新である時間が長い方がうれしい。
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