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ステップワゴン苦戦はエンジンのせいなのか

昨年4月に発売された新型ステップワゴンは、このクラスのミニバンでは初となるダウンサイジングターボを搭載。ようやく自慢できるレベルになって、JNCAPのテストにも参加して、グレード名に冠するようになったホンダセンシングなど先進の安全装備も備えて(初期のホンダセンシングはおそらくダメ)、意欲作に見えた。その他にもわくわくテールゲートなど、今までになかった提案もある。

しかし、販売はホンダが期待したほどではなく、現状維持に留まる。トヨタのノア/ヴォクシー/エスクァイアの3兄弟は別。これはもう販売網も全然違うし、売れて当然なところもあるが、同等の販売力と思われる日産セレナは今年の夏にフルモデルチェンジを予定しているくらいモデルライフ終盤なのに、ステップワゴンより売れている。

2.0Lクラスの1BOXミニバンは、かつてのカローラやサニーのような車。20〜40代のファミリー層が一番多く買っている。だから、既存ユーザーも多く、買い替え需要も大きい。しかし、新型ステップワゴンは思ったように販売が伸びていない。最近多く見かける記事では、その原因がダウンサイジングターボにあるとされているものが多い。確かにそれはひとつある。けど、果たしてそうなのだろうか。

ホンダの営業さんとも親交がある私は、新型ステップワゴン発売直後に貸してもらっており、ここでもレポートした。ステップワゴンはとても出来がいい車で、自分がこういうミニバンを買わねばならないとしたら、この車にしたいと書いた。乗り心地も静粛性もいい。走り味だって運転手気分が少ない。1.5Lターボはメーカーが言う2.4Lクラスの低速トルクはちょっと言いすぎだと思ったが、自然吸気の2.0Lと比べて遜色はなく、まったくターボであることがわからないレベルの仕上がりだった。それにホンダセンシングなど今求められるものは十分にある。わくわくテールゲートはちょっとよくわからないけれど、あるからといってマイナス要因にはならないだろう。

ただ、確かにダウンサイジングターボは理由としてはある。営業さんもなんでこの価格で1.5Lなんだと言われることがあると言う。でも、それは排気量で車を判断する割と年齢の高い人がほとんどらしい。それに奥様世代は車のスペックにはそれほど興味はないし、乗って普通に走ればいい。税金が安いことの方が重要だと思う。また、ダウンサイジングターボはひとつの省燃費エンジンとしての手法ではあるものの、一般的な消費者にはわかりにくいという指摘もある。ライバルはハイブリッドを採用しているから、わかりやすいのはあると思う。けれど、ノアやヴォクシーのハイブリッド比率はそれほど高くない。30%程度である。ほとんどの人がガソリンを購入している。その上、ハイブリッドは価格が高く、純粋に比較できるものではないんじゃないか。

個人的にはステップワゴンが不振だとすれば、そのデザインにあると思う。ワゴンRの標準車がステップワゴン。エアロ付のFZグレードがスパーダという感じ。スティングレーがないイメージ。私は今のステップワゴンのデザインは、そんなに嫌いじゃないし、むしろこのくらいシンプルでクリーンな雰囲気がいいのだが、世間一般ではやはりカスタム風味というか、威圧感のあるフロントマスク、きらびやかさが求められるように思う。人と違う切り口はホンダのいいところではあるものの、売れ筋車種ではもう少し大衆に歩み寄ってもいいのだろうと思う。せっかくいい車なのだからもったいない。

乗れば乗るほど悩ましいプリウス

今日は新型プリウスで朝から出張。ほぼ一日300kmほど走ったのでございます。乗ったのは「S "ツーリングセレクション"」。

年末に試乗。それからも数回ほど短距離乗りました。そして今回ようやく一日過ごすことになったのですが、乗るたびに私は悩んでしまうのでありました。もちろん、新型プリウスは先代に比べて、とても良くなったことは間違いなく、その評価に変わりはないものの、乗れば乗るほど「飛びぬけて素晴らしいわけではないかも」という自問自答。

第一印象は「おお!!」でした。「いいじゃない!!」と素直に感じるも、慣れてくるにしたがって、当たり前ですが「The PRIUS」という感じに。これはプリウス以外の何者でもなく、だんだんプリウスにしか思えなくなってきたのであります。もちろん、これから帰って我が家のプリウスにも乗ってみたいところですが、トヨタのハイブリッドシステムが車の性格の大半を決めているような気がして、どんな車でも同じように感じてしまう面は致し方ないのかなぁと思うところ。

今回は聞こえてくるサウンドも先代と同じ。エンジンが同じなのだから当たり前です。もちろん、多少の違いはあるものの、アクセルを踏み込むと同じ音質。動作も基本的にはプリウスユーザーからすれば、なじみのあるもので、特に新しさはありません。

乗り心地がよくなったこと、セダンらしい運転したくなるような低い位置のドライビングポジション、静粛性など先代ユーザーとして改善して欲しいところは完璧に良い。文句を付けたくなるようなところもない。けどすごく魅力的で、どうしても今すぐこれが欲しい。買い替える必要が無いけど、買い替えたいというほどのインパクトは感じなかったというのが本音なのでございます。もちろん、これから車検を受けるとすれば次は9年。普通の我が家の買い替えスパンで、次もプリウスにする可能性は非常に高いと思います。でも、飛びつくのはとりあえず保留にしとこうかというのが私の結論。もう飛びつく時期と言えないかもしれないですが。

大きく変わったなというのは、モーターのみで走行するシーンが圧倒的に増えたこと。今までは信号待ちからスタートすると、必ずエンジンは始動していたのが、バッテリーがあれば50キロくらいまでEVと同様、モーターのみで加速します。エネルギーの回生も早い。そしてトヨタセーフティセンスPはやはり魅力。レーダークルーズコントロールはやっぱり欲しい。これはいい。スバルのアイサイトと違って、停止してもブレーキ保持をしてくれます。なので、ペダル操作なしで目的地に行けてしまう。復帰に時間がかかるのは焦りますが・・・。あと先行車がいないときにクルーズをやめてしまうのは不満。そして、レーダークルーズで走ってきて、最後のメッセージが「走行が不安定です」。いや、君が操作してたんだぞと笑える一幕も。

けれど、レーダークルーズのために買い替えるというのは、やはりそこまでの動機にはならないでしょう。第一印象はすごくいいのですが、やっぱり長く乗ってみると、清水草一さんの「全部がちょっとずつ良くなってるけど、今のプリウスに乗ってる人が、すぐに買い替えたくなるとは思えない」という感想は実に適切。ただ、トヨタの車作りが変わったことはよくわかります。これはスタート。まだまだ応援したいと思います。というわけで、プリウスというブランドやドライブ感が変わらないことを求めるなら、迷わず新型オススメ。けれど、次は何か違う、新しい物を買ったぞ!!という感じが欲しい人には、よくよく乗ってから購入されることをおすすめします。そういう人はSUVというカタチやアイポイントなどから、新しいもの買ったという感覚がよく伝わってくる「C-HR」か、1年くらい遅れてデビューする予定の「PHV」を待つのがベスト。我が家もそうしたいと思います。

いや、とてもプリウスはいい車です。本当に文句を付けたくなるようなところがないのです。全然違う雰囲気にしなかったのは、トヨタらしいところ。これだけ多くいるプリウスユーザーに対して、まったく違った感じにしてしまうのは、逆に不親切。違ったものを求める人には、これからいろいろな選択肢を出してくれることでしょう。

果たして安いか? 注目のサブディーラーを徹底分析

こういうホームページを運営していると、各地の方からご相談もある。いろいろなお店の情報も入ってくる。もちろんそういうお店は独自の努力で魅力的なプランや乗り方を生み出し、ディーラーにはできない存在意義のある素晴らしいお店が多い。

ここ数年よく耳にするようになったのが、東京のサブディーラー。ここも近年大変伸びている素晴らしいお店のひとつ。サブディーラーは業販店とも呼ばれ、メーカーに縛られることなく、いろいろな車を扱っているお店を言う。こうしたところは、ディーラーから車を仕入れてお客さんに販売する。

価格はディーラーで値引きした価格と同等で売れるようになっている。大抵は決まったディーラーと取引しているケースが多く、たくさん買ってくれる顧客という位置づけ。お客さんが限界値引きをして買うよりも安く仕入れているから、特別割高になることはない。軽自動車業界では業販店はむしろ主流。スズキは70%、ダイハツも50%はディーラー以外が販売している。スバルやマツダなど小規模なメーカーもディーラーをたくさん設置できないため、こうした販売網を活用している。

しかし、トヨタはちょっと違う。ディーラー主義。これだけたくさんお店もあればよそで売ってもらう必要はない。地域によってはサブディーラーに売ってくれないところさえある。そこにあえて切り込んだ点は、誰も今まで考えなかったという点で、このお店が伸びている理由だろう。おそらく少しずつ実績を積み重ねながら、ディーラーも無視できない存在になった。それまでには相当な努力をされたことだろう。トヨタ車を中心に売るという大変珍しいサブディーラーとして名を馳せるまでになった。

このお店の販売方法は独特だ。ナビやETCなどのセットプランしかない。今の時代はナビを付けるのは当たり前。需要に合っているといえる。トヨタ車は人気ゆえ、転売目的を防ぐためにナビなしプランはできないといった文言もある。なるほど、それを付けてもらわないと、値引きはできないということなのだろう。そこで、プリウスを例に少し計算してみる。売れ筋の「S」の価格は248万円。パイオニアのサイバーナビを付けたプランでは、ETCとフロアマットのセットで249万円となっている。なお、フロアマットは純正ではなくオリジナル。これらのセットで23.9万円となっている。そして値引きは21.9万円となる。新型プリウスが22万円引きならけっこうすごくない?ということになる。大変うまくやっている。

装備されるナビの相場を見ると、おそらく10万円程度。ETCはとフロアマットはどちらも5,000円くらいだろう。約24万円のセットということは、ここで13万円稼いでいるので、車からの値引きは8万円くらいということになる。真相はごく普通。ミニバンなどは後席モニターなどをセットにして利幅を20万円くらい稼いでいるので、15〜20万円くらいの値引きという計算。ディーラーの方が安くなることはあるから、かなり収益性は良いのではないかと予想する。

こうした売り方は以前からあったが、大抵は調べても価格がまったくわからないエアロパーツや、どう考えてもいらないドレスアップ商品などを、ありえない価格で積み上げて、30万円引き!!とか50万円引き!!とやっていた。ほとんどそうしたお店はつぶれている。しかし、このお店は価格は特にびっくりするものではないが、今一番大切な明朗さがある点が人気の秘密だと思う。その上、価格設定や値引きも非常に現実的なものとなっている。諸費用が安いのもポイントだ。ローンの金利2.5%というのも地方なら驚かないものの、関東地区なら相当安いはず。

そういう意味では、こうした装備が必要でローンを組むというタイプの人にとっては、かなり魅力的なお店であることがわかる。ただ、現金派の人ならディーラーでしっかり値引きしてもらった方がいい。そのあたりの計算はしっかりされることをおすすめする。

軽商用車も大転換の様子

軽自動車メーカーにとって商用車は悩ましい。日本に軽バンや軽トラは無くてはならない。ダイハツやスズキは両方で年間10万台は売っている。販売店にとっても売れ筋。けれど、単純に10万台といっても今の形態では専用の車台や縦置きのエンジン、ミッションなどを必要としているので古いものを使い続けないと利益が出ない。軽乗用車は内外装は違えど中身は使いまわしているから、たった1車種のために作るには、専用のものが多すぎるというのは否定できない。

今まではそれでも改良を重ねてなんとかなったが、軽商用車にも高い衝突安全性が求められるようになってきたし、横滑り防止装置、さらに今後は自動ブレーキなど先進安全装備も義務化されそうである。スバルは選択と集中という目的があったが、三菱まで赤字になってしまうと軽商用の自社生産をやめてしまった。スズキはマツダ、日産、三菱という軽商用を扱うほとんどのメーカーで売ってもらえるため、これまで通りのレイアウトで今後の法規に対応できるよう大幅に刷新したが、ダイハツやホンダは現状のボリュームではなかなか厳しそうだ。

そのため、軽商用車もFFベースでやってみるという動きは加速しそうである。とりあえずバンからスタートするのだが、乗用車をベースに開発することになったという。確かに双方ともトラックはフルモデルチェンジしたが、バンは手が付けられていない。これまで室内の広さという点で課題があったが、N-BOXはバモスより背が高くて広さだって遜色ない。ウェイクなんてアトレーより広いレベル。どうしても1BOX型にこだわる必要はなくなってきたのかもしれない。

ダイハツは今年中にもFFの商用車を出してくるらしい。個人的には様子を見るためハイゼットカーゴも併売すると思うが、こうした車を使う人がみんなフルに空間が埋まるほどの荷物を積んでいるわけではないし、FFベースになれば乗用モデルに近い快適性やドライブ感覚も期待できる。燃費も良くなるはずだ。スズキは多段ATを起こすほどコストをかけられないので、考えられる最善の方法として、5AGSという苦肉の策(?)に出ているが、FFベースならCVTとの組み合わせも可能。乗用とベースを共用できれば、価格設定も抑えられるし、背の高さを変えるだけでミラバンと統合できる。ミラとハイゼットの中間的な高さの新ジャンル商用だってあり。

それに、ユーザーにとってはもうひとつメリットがある。私の住む山陰では奥地の人以外、自家用車はほとんどFF。特に困ることはない。4WDは少数派である。けれど箱バンは4WDが大半だ。年に何回か積もる雪に対して後輪駆動では困るからだ。しかし、FFなら中途半端に雪が降る地域のユーザーはわざわざ高いお金を支払って4WDを買わなくてもよくなる。そうなると、俄然魅力が出て来る。この動きに対してスズキがどういう手を打ってくるか。これはこれで興味がある。

それにしても箱バンがFF化したら、軽トラだけのために車台やエンジンを用意することはできなくなる。ここまでやるなら、将来的には軽トラもFFベースになると考えるのが自然な気がする。長年特に進化のなかったジャンルの車だけに、この転換点はそれなりに私は歓迎したいと思っている。どんな風になっていくか楽しみだ。

トヨタが切磋琢磨する体制に変わるか

トヨタは、同じメーカーの中にきちんとした序列がある。とても日本的で受けていた面がある。でも、時代は変わって弱みにもなってきた。

収入が上がったり地位が高くなったからといって高級車に乗るとは限らない時代。多様性やエコなど車を選ぶものさしは人それぞれ。この車はあれより下だから、これより上だからという車作りをしていては競争力を失ってしまう。

昨年業務提携をしたマツダはとても理想的な車作りをしている。価格が安いからといってわざわざクオリティを落としたり、上の車を食ってしまうことを恐れない。アテンザに乗ってもデミオに乗っても、きちんと共通した流れやクオリティがある。細かいことを言えば静粛性や乗り心地など違うが、デミオに乗って、やっぱり安い車だからとがっかりさせたりしない。

私は昨年からトヨタのそういった車作りはやめて欲しいなぁとつぶやいていた。探して見つけたのが昨年のTwitter。この他にも、小型が上級車を食って何が悪い。小型車部門と上級車部門が競争すればもっといい車ができるはず!! そんなことを私なりに述べさせてもらっていた。カローラハイブリッドがプリウスより良くて何が悪い。そうなったらプリウスの開発陣はもっといい車を作ればいいだけ。

トヨタは今回カンパニー制を導入するそうだ。小型、商用、上級、レクサスといった部門別に社長のような位置づけとなるプレジデントを置き、それぞれ競争させる仕組みを導入するようだ。上下関係にとらわれない車作りをしようとしているのではないかと考える。まだまだ成果は数年先になるだろうが、古臭い車格なんていう言葉に縛られることのない、のびのびとした車作りをして欲しいと念願している。
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